総合建設業の(株)大林組 技術研究所様に、Meiden AGV Kitを納入しました。
近年、建設業界では、資材搬送作業の省力化・効率化による生産性向上が求められています。
今回の事例は、大林組様がシステム設計・製作、構築を実施。Meiden AGV Kitの拡張性を存分に活かして頂いた結果、資材の搬入内容により、日々変化する建設現場において導入が困難だと思われていた“フレキシブルな水平搬送システム”を実現しました。
下記、本プロジェクト内容の詳細をご紹介します。
Meiden AGV Kitを採用するキッカケとなったのは、本サイト“AGVナビ“です。以前から搬送システムの導入を検討していたのですが、AGVナビでMeiden AGV Kitの“安さ” “容易なカスタマイズ性能” “短納期”を知り、「これなら私達の理想としている搬送システムが実現できる」と、Meiden AGV Kitの採用を決定しました。
私達は、重量級・相対アドレス方式Meiden AGV Kitの基本ユニットを購入し、システム構築は当研究所で行いました。
Meiden AGV Kitは、I/Oを活用することで高度なシステムを構築できます。建設業界では難しいと思われていた搬送システムの構築を実現できたのも、Meiden AGV Kitの拡張性の高さがあったからこそです。
今後、他の現場での運用に向けて、更に利便性を向上させていきたいと思っています。
(取材協力者 大林組 技術研究所 大本様)
建設現場では、一箇所の保管場所を基点に、資材・機材を各地点へ供給する方法が一般的です。この搬送における作業の大半は、単純な繰り返し作業であり、搬送距離が長い現場ほど、作業コストの改善が大きな課題となっていました。
今回の建設現場は、地上階から、保管場所まで資機材を運ぶエレベータと、保管場所から上層階へ資機材を運ぶエレベータが、約70mほど離れており(※図1)、加えて、その間の資材供給地点が、複数箇所に点在していました。
「この現場なら、無人搬送システムを十二分に活かせる」と思い、現場の水平搬送作業を省力化し、コスト削減を図るため、Meiden AGV Kitを使った無人搬送システムを構築しました。
搬送システム本体のタッチパネル画面は、現場の声を元に、“誰でも簡単に使いこなせるような画面デザイン"に設計。
誰でも操作できるため、導入後も、現場の搬送作業は滞りなく進めることができました。
また今回は、資機材の搬送先を、事前に“ICタグ"に登録。本体側面に設置しているICタグリーダーが、資材の上に置かれたICタグの情報を読み取り、その情報が、タッチパネル画面に表示される仕組みになっています。
資機材の仕分け登録の手間が省け、作業時間の短縮にもつながりました。
通常、水平搬送作業時には、グループを組み、一台の組み台車を使用し、資材の搬送を行っていました。
当搬送システムを導入した結果、オペレータ1名で操作ができるようになり、搬送作業を、従来の2分の1から、3分の1と大幅に省力化。近年の建築業界における“資材搬送作業の省力化・効率化による生産率向上”という課題の解消に向けた、大きな一歩となりました。
また、「資材の搬送を前日までに行い、作業当日は朝からスムーズに作業が行える」というサイクルが生まれ、現場からも好評価を頂くことができました。
現場の状況に応じた新たな搬送システムとして、今後、あらゆる建設現場において、当搬送システムを運用していければと思います。
建設現場では、当日の搬入内容による経路変更が多いと伺い、今回は、簡易に経路変更が可能な磁気テープでの誘導方式を提案しました。
Meiden AGV Kitはお客様独自の無人搬送車が制作できるキットのため、現場の声を適宜取り入れ、お客様側で作り込みができるという特長があります。今回は、搬送システムの設計等について、現場の声をとりいれることが出来たという点で、Meiden AGV Kitの“自由度”“拡張性”を最大限に活かしていただけたのではないかと思います。
現場ごとにあわせ台車の形を変えて、無人搬送車を再利用できることも、Meiden AGV Kitの特長のひとつです。今後、様々な分野で無人搬送車を利用していただけるよう、提案活動を続けていきます。